被爆六十周年記念事業 コンセンサス会議
歴史的証言に基づくヒロシマ平和コンセンサスの試み

主催: ワールド・ピース・ヒロシマ
共催: 財団法人広島平和文化センター
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ヒロシマ平和コンセンサス『鍵となる質問』


被爆六十周年歴史的証言者の考えをお聞きして、私達市民パネリストが『ヒロシマの心 これからのヒロシマ』を作成するために歴史的証言者の方々に質問いたします。
今まで言われてきた「ヒロシマの心」は被爆者や市民の思いが集約されたものであろうか?世界の平和の指針となり得るものだっただろうか?ヒロシマのこれからは、核の傘の中での核廃絶の訴えや、ヒロシマと日本政府の方針が違う場合もある現状の中で、ヒロシマはどこをめざすと良いのかを市民で考えようと思います。また、時間に余裕がある場合は、各パネルから質問したいことをお尋ねすることがあるかと思います。よろしくお願いいたします。 

齊藤忠臣氏への質問
1、ヒロシマの心として「復讐の道を選ばずに、和解の道を提示した」と述べられています。「復習の道を選ばずに、和解の道を提示した」というのは多くの被爆者、市民の支持を得たものでしょうか?
2、平和都市ヒロシマの論理と国の論理とが相反している点についてどのような考えをお持ちでしょうか?
@憲法95条に基づく特別法「広島市平和都市建設法」の第1条の『恒久平和を誠実に実行しようとする理念の象徴として広島市を平和都市として建設することを目的とする』といっているが、広島の現状は、平和の象徴として自他共に認められているでしょうか?
A2010年NPT再検討会議に向けて、広島市の行動計画についてはどのようにお考えでしょうか?国に対しては、どのようなアプローチをお考えでしょうか?
2020
年ビジョンが、市民から遠い存在になっているような気がしています。市民との連帯をどのように進められる予定でしょうか?
B 平和思想の発信基地としての機能を果たそうとすると国の論理と相反してしまう広島市民としてのジレンマをどのような形で解決したらよいでしょうか?
C国境を超えた市民レベルの世界的平和運動へのバックアップ(財政的・行政的・その他)について協力などを含めどうお考えでしょうか?
3、平和都市ヒロシマとしてモデルになるような事業のあり方について?
@ 平和記念資料館は、ヒロシマを世界に発信するところであると認識しております。資料館の役割について、また何を発信するところだとお考えでしょうか?資料館でヒロシマを伝えているピースボランティアの人たちの役割は大変重要となってくると思います。市民と平和行政が協力し合う場でもあると思います。このピースボランティア活動に期待すること、又組織のありようについてのお考えを聞かせてください。
A 理事長の平和都市ヒロシマのイメージとビジョンを、またそれを実現させるために今何が必要とお考えですか?


森瀧春子氏への質問
1、世界の各地でヒロシマから核廃絶を訴えて、その限界や、連携した喜びは、どんなことでしょうか?
2、広島で核廃絶を訴えて、市民はどうでしたか。下記の点を質問いたします。
@ 核兵器廃絶への具体的な道筋をつくり、多くの皆さんの参加を得て運動の力を蓄えていきたいと述べられました。具体的な核廃絶の道筋はどのようなことなのでしょうか?また、多くの市民の参加を得るためにはどのようにしたら良いと考えられますか?
A アメリカの侵略戦争を支持する日本政府の自衛隊派兵、さらに核兵器の保有論さえ飛び出してくる憲法改正の動きの加速を止めたいと述べておられますが、そのための具体的な考えや、行動はどんなことでしょうか?
ヒロシマからヒロシマ市民が発信する場所があるといいと考えられていますか?
B 今まで広島で、核廃絶や劣化ウラン弾禁止運動をしてこられましたが、市民の反応や協力に対してどのように思われましたでしょうか?
C 平和市長会議の「2020ビジョン」を世界のNGOの中でも際立っていると述べられていますが、会として2020ビジョンを支持し、支援していくことは考えていらっしゃいますでしょうか?
D 核廃絶を主張すると、「偏っている」といわれました。どうしたらいいでしょうか?
E 超大国アメリカの"核抑止論"を象徴とするプラグマティズム的論理とキリスト教的世界観(人間が神のかわりにこの地球、自然界を支配、管理しコントロールする)を変えることが、「核兵器廃絶」「自然破壊」「環境問題」「バイオテクノロジー」等について重要なポイント1つと考えられますが、如何思われますか? もし同様に思われるようでしたら、どんな価値観、世界観を−いわば思想・哲学・宗教を−、またそれ等をどのように理解、共有し、広めてゆけばよいか、何かよい展望のもてる方法論があればご教示ください。 


和田恭太郎氏への質問
1、和田先生の述べられた「魂の向上」とは?もう少しわかりやすく説明していただけますか?
2、「魂を向上」させるためにどのような方法論がありますか?
3、歴史鏡観察が"毛利元就へ倣うべし"とあるが、なぜ毛利元就なのか?そしてそれが「被爆体験から真の平和へ」どのように繋がるのでしょうか?
4、「欲得」が残酷死の元凶とあるが私たち市民のできることは?


中里博泰氏への質問
1、中里先生の「理想社会」と「広島市民」(ヒロシマの心)との繋がりはどうなのか?
2、理想社会の実験モデル社会はどのあたりまで進んでいますか?
3、モデルコミュニティを具体的に広島のどこにどんな形で作りうるのか?その構想の一端をお聞かせください。
4、理想的コミュニティの政治、経済、教育、お金(流通)等のシステムとはどんなものか? 又私たち市民は、それに対して何をどのように(参加)すればいいのでしょうか?


平和宣言(秋葉忠利・広島市長)への質問
1、「日本政府は、国連第一委員会や総会で多数決による核兵器廃絶実現の為努力すべきです」とありますが、5大国の拒否権との兼ね合いは、どうなるのでしょうか?広島市は、国に対してどんな働きかけをしているのでしょうか?
2、核兵器廃絶を代表とする諸問題について5大国の拒否権が、大きな障害になると考えられますが、これを克服する手立てはありますか?広島市として将来の展望に繋がる何か(方法とか)道筋があればご紹介いただければと思います。
3、核保有国の"核兵器廃止の意思"をそれぞれ国民の大多数とするには、私たち市民はどんなことができるのか?広島市として又私たち一市民としての活動について御助言いただきたいと存じます。



平成172005)年9


『鍵となる質問』に対する回答要旨

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