被爆六十周年記念事業 コンセンサス会議
歴史的証言に基づくヒロシマ平和コンセンサスの試み

主催: ワールド・ピース・ヒロシマ
共催: 財団法人広島平和文化センター
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主催者挨拶

企画運営委員長

前島 修(ワールド・ピース・ヒロシマ 代表)


ヒロシマが被爆六十周年を迎えようとしています。

平和!平和!と叫び訴え続けての60年。
その声はどこまで届いているのか。
その声を誰に届けようとしているのか。

原爆投下から60年目のヒロシマに暮らしている一市民として
「ヒロシマの目指す平和とは一体何なのか?」
と発した素朴な疑問が、
<ヒロシマの世論形成> というかたちで
 
60年目のヒロシマの心、ヒロシマの魂を確かめてみたい”
との衝動に変わりました。

その衝動は
 
“被爆者に70年目のヒロシマはない”
との <被爆者達の悟り> が伝導してきたものである、と思っています。


声なき声、声にならない <心の叫び> を察知し、
その意思を若い世代が自ら志願して現していくことこそが <ヒロシマ継承> なのだ、
と心得ます。

被爆者の高齢化によって
被爆者の証言を録画する作業がしきりにおこなわれてきていますが、
大切なのはその証言を誰に伝えていくのか、
を明確にすることに尽きるのではないでしょうか。

「被爆六十周年は <ヒロシマ継承> について真摯な態度で向かい合う年としたい」
「独りで、または別々に向き合うのではなく、社会全体として向き合っていきたい」
こんな想いが共鳴し合って、
このたびのコンセンサス会議開催の運びとなりました。

ヒロシマ平和コンセンサス会議は、
12
人の広島市民と5人の歴史的証言者との対話、
すなわち、Twelve 魂とFive魂の交流(12×5)をベースに
60
年目のヒロシマの魂を浮かび上がらせよう、
という試みです。

市民を主役とすることで市民の平和意識を喚起させることを狙っています。

それは根底からアイデンティティを醸成していくことをねらう姿勢を示した形でもあります。

7
月から11月の約5ヶ月をかけてじっくりと、
ヒロシマを、平和を、自己を、深く見つめ、
その意識を社会的共有財産とすることを目的としています。

6
23日に60年目の沖縄 「慰霊の日」 を迎えました。
1
ヶ月後の86日には60年目の広島原爆忌を迎え、
8
9日には長崎原爆忌、
そして815日の終戦記念日を迎えることになります。

60
年前に “終わったもの” は何だったのでしょうか。

 
<歴史を鏡としていくこと> の真の意味を問いたく思います。

いつの時代も、時代が動く時には、時代を動かす掛け声がありました。

ルネサンス、アンシャンレジューム、ペレストロイカ等々。

これらが同時に押し寄せて来ている現今(いま)を日々の生活で実感されていることと思います。

60
年周期説に従うならば、
今まで過ごしてきたサイクルから新しい時代のサイクルへと入っていく節目の年となります。

この節目となる年を、
原爆投下から60年の総括とこれからのヒロシマのあり方について考える
<歴史的世論形成の場> とします。

<ヒロシマの鼓動>を確かめ合い、クッキリと描きだせたなら、
新しい時代を創っていく掛け声としての “ワールド・ピース・ヒロシマ” を、
国際社会に対して、力強く、声高に発することが出来ます。

<素(もと)の心> を大切に、皆様の叡智を結集して頂きたくお願い申し上げます。

平成172005)年73


被爆六十周年に焼付ける「ヒロシマ 心の風景写真」

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